長い耳とつぶらな瞳、もふもふの毛並みがとっても可愛いうさぎ。
うさぎの飼い主さんにとって、うさぎのルーツや体の仕組みについて詳しく知りたい人は多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、うさぎってどんな動物なの?うさぎの祖先やルーツとは?という疑問に迫っていきたいと思います。
それではじっくり見ていきましょう。
うさぎとは?
うさぎは近年まで、げっ歯類の仲間だとされてきましたが、実はウサギ科ウサギ目に属する小型の哺乳類です。
げっ歯類とされていた背景には、うさぎの歯が伸び続けることが挙げられ、ネズミやハムスターも同じ特徴を持っています。ですが、実はげっ歯目ではない、ということが近年判明しています。
うさぎの数え方の由来や人気の背景について
うさぎの数え方は、「1羽」「2羽」と言うのはみなさんよくご存じだと思います。
では、なぜ1羽、2羽、と数えるかと言えば、長い耳があるからですね。
長い耳を持ち、ぴょんぴょんと跳ねる(飛ぶ)ように走ることから、うさぎは1羽、2羽と数えられるようになったと言われていますが、これには諸説あり、
うさぎを捕まえる時に耳を持ったから、耳が鳥の羽に似ているから、などとも言われています。ちなみに、家庭で飼育されているうさぎは「1匹」「2匹」とも言います。
日本では、主に平安時代から昔話にもうさぎはよく登場します。古事記や日本書紀にもすでにうさぎについて書かれているので、かなり昔から身近な動物だったことがうかがえます。
神話にも登場し、地域によってはうさぎを祭っているところもありますよ。
古代から、うさぎは世界中でよく見かける馴染み深い動物だったようです。
うさぎの体の仕組みについて
うさぎは夜行性の哺乳類です。この「夜行性」というのは大雑把な表現で、正しくは早朝と夕方によく活動します。こうした活動時間のグループの動物を「夜行性」と言うことが多いのです。
このため、うさぎは暗い中でもよく物が見えますが、実は視力が悪く、かなりの近眼です。
視力が悪い分、聴覚が非常に良く、音に対してとても敏感で臆病であるという面を持っています。うさぎが何かを聞くときは、耳がその方向へ向き、360度音が聞こえるようになっています。耳を動かして音を聞く仕草もとても可愛いですよね。
この、大きな耳の皮膚の厚さはとても薄く、体温調節ができるようになっています。
嗅覚も発達していますが、犬や猫と比べるとうさぎは嗅覚よりも聴覚を頼りに生活していると言えます。
そして、うさぎは体が水で濡れるのをとても嫌いますが、こういうところは少し猫に似ていますよね。
うさぎの骨の仕組み
哺乳類の体重は通常、体を構成する骨と内蔵、筋肉や脂肪の量で決まりますが、うさぎは、
その中でも骨の重さがとても軽い哺乳類です。
骨の密度が一番大きい部分は頭部で、前足や後ろ足などの先端へ行くほどうさぎの骨は細く、密度も軽くなっています。
ジャンプ力はありますが、うさぎの足の骨は非常に弱くて細く、骨密度も高くありません。うさぎの足の先、人間で言うところの手や足の指の部分を触ると、とてもペラペラとしていて柔らかいことがわかります。
このように、骨が細くて軽いため、骨折しやすいという特徴を持っています。
高いところから落ちてしまったりすると骨折の危険がとても高いので注意が必要です。
うさぎの歯の仕組み
骨が細いうさぎは、歯もそんなに強くありません。草を食べたりして常に前歯の上下を擦り合わせていないと、前歯が伸び続けるという特徴があります。
こういったところは、ネズミやハムスターによく似ていますよね。
不正咬合と言って、この歯の咬み合わせが生まれつき悪いうさぎは歯が伸び続けてしまうため、飼育下では定期的にカットしなくては生きていけません。
歯が伸びすぎれば食べ物がうまく食べられないからです。
うさぎが食べ物を食べる時は、主に奥歯を使ってすり潰すように食べますが、木の枝などを好んで齧るのは前歯が伸び続けるのを防ぐためと、伸びる歯の歯茎が痒くなるためです。
うさぎの消化器官の仕組み
うさぎは完全な草食動物で、同じ草食動物には牛や馬、羊などたくさんの種類がいます。
この中で、うさぎは体が小さい種類のため、消化器官が他の草食動物に比べて短くなっています。その代わりに発達しているのが、盲腸です。
盲腸の中で栄養の消化・吸収を行うので、多くのうさぎは食糞をして栄養を取り直しています。この時食べているのは、「盲腸便」と言って、コロコロとした普段のフンではありません。
うさぎは、およそ7~8時間何も食べないでいると、命の危険がある動物と言われます。
いつもチモシーや草をよく食べているのはそのためなのですね。
チモシーや草を食べるのは、消化を促すため、という側面も持っています。
うさぎの祖先や現在のうさぎのルーツとは?
うさぎの祖先、いわゆる今の飼いうさぎのルーツとは一体どのような動物なのでしょうか。犬の先祖はおおかみだと言われますが、うさぎは一体何だったのかと言うと、
もともとうさぎは「うさぎ」でした。
うさぎの祖先について
うさぎの祖先はうさぎですが、今のようなバリエーションに富んだうさぎの姿ではなく、
家庭で飼われているうさぎの祖先のほとんどは「アナウサギ」です。
一方、ノウサギという、穴を掘って生活しないうさぎも昔からよく見られていましたが、こちらも現在のうさぎの祖先と言えます。ノウサギは、ウサギ科ノウサギ目の種類となります。ただし、ブリードされた家庭飼育用のうさぎとは違い、野生的で体の大きさもアナウサギより一回り大きく、世界の地域によっては食用に飼育されることもあります。
ノウサギを飼育している動物園や、過去にアナウサギとのブリード(交配)を試みたところもあるので、全く関係がないと言うわけではなく、ノウサギの中にはアナウサギも含まれます。
※現在家庭で飼育されている小型のタイプのうさぎはアナウサギ目となります。生活パターンも全く違っており、ノウサギのほうが野性的で昼行性です。
「カイウサギ」が家庭で飼われているうさぎのルーツ
アナウサギを異種交配して誕生したのが、現在の家庭で飼われているうさぎの祖先です。
そして、アナウサギを飼育用に交配(ブリード)したアナウサギのことをカイウサギと言い、食用うさぎと明確に区別されてきた背景があります。
つまり、現在飼われているうさぎのルーツは、アナウサギであり、カイウサギである、ということなのですね。ノウサギを飼うところもありますが、現在主に日本で飼育されているうさぎの祖先は「アナウサギ=カイウサギ」と考えてOKです。
うさぎの世界は奥が深いですね。
まとめ
今回の記事では、うさぎってどんな動物なのか、うさぎの祖先やルーツってどんな生き物だったの?という、うさぎの基本情報についてお伝えしてきました。
うさぎの体の仕組みやルーツを知ることで、もっとうさぎと仲良くなれますよ。